長年棲み続けている或る「庭」の現実からの直接・独自の考察・雑感。

2010年9月26日日曜日

蒼穹・碧落・月影

青という色は遥かな奥行きを満たしている見えない物質がそこにあるという証拠だ。

秋は透明度が高い故にその距離も長い。



かなり昔であるが、夜行列車でナポリに着き早朝一番の船でカプリ島へ渡ってそのまま小舟に乗換えて、グロッタアズーナ(青の洞窟)というのを見たことがある。快晴の朝だった。
船頭のいい加減な英語から判断すると、洞窟に入ってくる唯一の光が海水の下からのみであり、その海がとても深くかつ透明度が高いため光の屈折により異常な程の青さに輝いているということだった。

その日のその時の状態は滅多に見られない程、良好だと言っていた。



天高く澄み渡った秋空を見るたびにあの時の体験を思い出す。

固有の自然は普遍の自然につながる。

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だんだん早くなる夜の帳が落ちると間もなく月が隈なき顔を出した。

多くの歌人に「望月」と詠ませるほど確かに、東の空低くにては大きく円く言葉通りである。



似たような月、あれから一月ほどであろうか。

同じような月に気付くのがおよそ一ヶ月弱。

満月の頃は時間帯、角度とも丁度よくできている。

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