この庭の萩は他より少し遅めに咲く。
残暑のなかにも感じる秋風を証言するかのように。
花は常に揺れ動き、散り続ける。
そして台風が過ぎ去った後にも、まだ幾ばくか咲き残り
紛れもない「秋」を印象づける。
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生垣のなかに自生し大きくなってきた萩も、今年は手入れを怠ってかなり外側に張り出してしまった。
通り道の邪魔なのだが、なかなか花が終わるまでは切りにくい。
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秋の花は失って行く寂しさに風情がある。
とくにそれを際立たせるのが、小振りの花の集合・スケスケになった透し感とそれらが数種重なる重層感である。
個々の存在は薄れ、様々な種類を受け入れ、あたり一面を埋め尽くす。
秋といえば七草なのは、混在するこの透し模様の効果によるところが大きい。
ハギ、ススキ。フジバカマ、クズ、ナデシコ、オミナエシ。そしてキキョウだけ一点そうでないところがミソである。
長年棲み続けている或る「庭」の現実からの直接・独自の考察・雑感。
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