午後突然、雷の轟く音に幾度も脅される。
数分後には、予想をはるかに超える急激な風雨。
庭中のあらゆる樹木が風で大きく揺さぶられ、それに激しく雨が叩き付ける。
とりわけ伸びきって花を盛りに咲かせている蔓薔薇は狂ったように揺れ動く。
短時間であったが、数週間前に筑波の方で大きな竜巻が起こったことを思い出す。
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雨が上がって幾分湿り気が抜けた夕暮れ時に空が明るくなる。
さぞや甚大な被害であろうと蔓薔薇を見に行くと、何食わぬ顔。散った様子がまるでない。
下向きに揺れながら雨露を落とし、だんだんと上を向き始めている。
よく見ると、支柱となっていた鉄製のアーチは錆びで破損し、逆に崩れないように絡み合った蔓薔薇にぶる下がるように支えられ、全体を保っていた。
蔓薔薇はなかなか、したたかであった。
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これを植えたのは確か、このようなものに憧れを抱いていた昭和40年頃のこの季節であった。
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だが、今でもはっとさせるものがあることには変わりない。
この容姿を見るたびに、
機能効用・経済効果などにされうるデーター化は
計り知れない意識の、ほんの一部でしかないような気がしてくる。
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長年棲み続けている或る「庭」の現実からの直接・独自の考察・雑感。
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