ピンクのあり、白っぽいのあり、形も色々あって楽しいが
基本的には昔からあり、どこでも見かける青色のが 本来のあるべき姿に思われる。
他の品種のはあくまでも「その色形の花」として主張するが
この青色のは、季節の移ろいとともに
その時々を補うような心情を反映し色合いを変化させる。
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五月晴れの清々しい日々に時折、雨天が混じるようになると
その淡黄緑に咲きかけた先端を薄っすらと空色に染める。
味わい半ばで足早に過ぎゆく 心地よい春を名残惜しむかの如く。
梅雨入りの早い年は一層である。
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そして連日、灰色の空が続く頃には 活き活きと 青みが増し
雨によって目のさめるような緑とのコントラスになるが
その色は期待に満ちた真夏の空を夢見ている。
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やがて夏至を過ぎる頃、
真青だったのが 少し色褪せ 紫がかり、曖昧な現実になる。
たまたま晴れても日射しは強く昼間は紫陽花の出る幕ではないことを悟る。
夕方、日が落ちて長らく明るい空は薄紫を帯びた白灰色の曖昧な色合いになり
体はダルく理性は遠のき、逆光の薄闇に浮遊する紫陽花の気分となる。
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だが翌朝、日の昇る前から空が白み早く目覚めたりすると
まだ意識のはっきりしない視野のなかに、魅力的な姿を再発見する。
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