長年棲み続けている或る「庭」の現実からの直接・独自の考察・雑感。

2010年12月7日火曜日

楓紅葉

今年は楓(カエデ)が紅葉しないのではないかと思っていた。

長過ぎた猛暑夏、その後遺症によって

緑の葉々が赤くならずにそのままどす黒く枯れていくような気がしていた。

しかし


やはり遅ればせながらも季節はめぐってくるもの

くすんで黒ずみかけたように見えた緑はやがてはその濁色感から抜け出るとともに

純化した赤みを増して再び透明感を獲得し、あの鮮やかな紅葉(もみじ)の樹となる。


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どうやら、楓の樹の剪定のしかたを少し見誤ったようである。

あまり爽やかな感じにならずに、ぼってりと密集しまった。




もっと沢山の隙間を作り、すかすかにしておけばよかった。

周囲の空間と親和するような、それ自体内部の空隙が必要であった。


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紅葉は「透き間感」が大事である。

西欧の花壇とは美学が違う。

それによって発生する空間を味わうのである。

そして己と自然との分離が不可能なほどに一体となる。

その意味で「紅葉」と「桜」は似ている。

これは数千年にわたって体内に擦り込まれた感性のように思う。

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